「八掛納まり」
2020年11月3日
今日はちょっと技術的なお話を少ししたいと思います。
今年、お引き渡しをしました住吉にある「川風にさきわう家」のなかから言われないと気付かない技法をご紹介します。
それは、”八掛納まり”
下の二枚の写真を見比べてください。
(い)
(ろ)
それは何かというと建具枠をスッキリ見せていることなのです!
つまり、「見える線を細く、小さく」という意味です。
じっくりと見てみてください。
(ろ)が通常の建具枠の納まりと考えると、(い)の写真は窓の枠が非常に細く見えるはずです!
これを「八掛納まり」といい、大工さんの加工の技術をとりいれた、とても手間のかかる技法のひとつです。
決して薄い材料を接着剤でねばしているわけではございません。
漆喰で隠れている部分は通常の窓枠より厚くできています。
四角の木材の先端角を刀のように尖らせています。斜めになった部分に漆喰など左官材でかぶせていき、建具枠をぎりぎりまで薄くしています。
別な呼び方で、刀掛納まり、とも言います。
手間を惜しまず納めた建具枠はスッキリ見せることで、美しく思える納まりになります。
posted by しん at 7:16 AM