みやぎ木造住宅コンクール5年連続受賞

2024/11/20
壁、天井を塗装仕上げ...
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家づくりの現場から

随時更新!刻々と変化する現場の状況を、
思いの丈込めてお伝えします。

一点もののキッチン。

2024年04月17日

キッチンは特に住まい手の個性がより多くみえる場所です。

住まい手のご要望にそってシステムキッチンのほか、様々なキッチンのオーダーを受け「一点もののキッチン」を創ってきました。

天板の材質は無垢材天板からステンレス、栗と漆塗り、フレームは無垢材、鉄、など様々。

その中でも今回、ご覧いただきますキッチンはモルタルを厚塗りして創りました「モルタルキッチン」です。

立上りより張り出した部分には前回、お話した「八掛け納まり」を多用して創りました。「一点もののキッチン」には住まい手のご要望と数多くの職人さんがたずさわり創り上げていきます。そのためしばし完成まで時間がかかります。

こちらの現場では食器戸棚の天板も厚塗りのモルタル塗りにて仕上げました。
みなさん、どうぞご覧ください。

posted by しん at 10:55 PM

【コラム】すみずみに風を送る

2021年06月12日

合成材、防腐剤を使わず自然素材で家をつくるうえで重要なのは、無垢材を健全な状態に保つための湿度コントロールです。当社では結露が起きないよう温度差と空気の淀みをなくす独自の工夫をしています。

例えば屋根の軒先で工夫しているのが、空気が淀みがちな小屋裏に空気を送り込むための軒先換気口で、通風はメッシュの金網で確保しています。これは暖かい空気は上昇する特性を生かしたもので、切妻屋根や寄棟屋根で最も低い位置になる軒先から空気を取り入れることで、屋根、小屋裏内の湿った暖かい空気を上部の棟から逃します。つまり軒先換気は、棟換気とセットになっています。

木の家にとって過剰な湿気は大敵です。結露の発生はそのままに、防腐剤でカビやシロアリを防ぐのではなく、そもそも結露を生まない工夫で快適な住まいを実現します。

posted by Fuji at 8:37 PM

【コラム】石いろいろ2

2021年05月13日

薪ストーブの強烈な熱から家を守るために石は欠かせません。

炉台、炉壁に多く使われるのが凝灰岩で、有名なのが栃木の大谷石、そして青森の十和田石ですが、宮城にもそれらに匹敵する秋保石と野蒜石があります。

両者とも耐久性と耐火性、耐水性に優れながら加工しやすいことから、明治から戦前にかけて最盛期を迎えましたが、戦後から高度成長時代になると建築材として利用されることも少なくなり、秋保石は現在数社しか取り扱っておらず、野蒜石については切り出す業者がなく幻の石になっています。古い土蔵などで使われているので、私たちも気づかないうちに目にしているかもしれません。

両者とも全体に黄色味がかった色合いは石の硬質な印象を感じさせず、薪ストーブの優しい温かさによく似合っています。また堆積の時に混じった大小さまざまな石が美しい表情を見せるのも魅力です。

 

 

posted by Fuji at 9:53 AM

【コラム】石いろいろ1

2021年03月26日

黒く、見るからに硬質で重厚感がある稲井石は記念碑や墓石に重宝され、「至宝の石」と呼ばれるほど。まさに永遠を刻むためになくてはならないもので、東京・清澄庭園では池の渡し石、塩竈神社、瑞巌寺では石碑等に用いられるほか、サイパン島の旧日本軍の慰霊碑にも使われています。また歌人・斎藤茂吉は、父の墓石を誂えるために稲井を訪れたと言われています。

この「仙台石」とも呼ばれる石巻の宝をなんとか家づくりに生かせないかと考え、これまでいくつかのプロダクトを製作しました。もっとも多いのが玄関柱の束石で、重厚感ある表情が家に落ち着いた印象を与えます。黒光りせず、濡れた時と乾燥時では見た目にも明らかな差が出るなど、いくつかの特徴の中で、最も気に入っているのが木目のような模様を持っていることです。木の家にあっても浮いた印象に見えないのはこのせいでしょうか。これからもその可能性を家づくりに生かしたいと思います。

posted by Fuji at 1:44 PM

【コラム】唐紙のこと

2021年01月23日

唐紙はいわば襖紙のことで、京唐紙と江戸唐紙がありますが、歴史、伝統、技術の集積から京唐紙の存在感が際立ちます。この京唐紙を取り入れた最初の家は「木組みの空に雲を見つける家」で、新居に似合う襖紙をオーダーするため、施主様と建具屋さんと3人、京都まで行ってきました。

さて、唐紙の意匠性、デザインのいまどき感は写真をご覧いただくとして、その最大の魅力は、経年変化から時のうつろいを楽しむということのような気がします。

『からかみ』を象徴する材料に雲母(きら)がありますが、これを絵具に文様を刷ると、それは光量や光の角度で輝きを変えます。紙と刷色を淡い同色にした場合、日中の正面からの光では文様はあまり目立ちませんが、月明かりなどでは雲母の文様が浮き上がり輝くのです。つまり、雲母刷りの『からかみ』は時間により違った美しさを見せます。

また純銀箔押による場合、銀は硫化反応で鈍い光を帯びるので、長い年月での変化が楽しめます。「いぶし銀」とは、渋みや趣深さをいう言葉ですが、純銀箔押の唐紙にはまさにそうした魅力があります。

住宅建築では新築時の美しさをいかに長く保つかが重要なテーマになっていて、使われる素材の性能は日進月歩です。その一方で、唐紙や無垢材は環境や使い込まれることで見た目や質感が変化し、一定性や永続性はありません。確かに新しいものは美しく見えます。しかし長く使い込めば見た目は変化し、劣化は避けられません。ならば、経年変化をじっくり楽しむ家があってもいいように思います。「時の移ろいを楽しみながら、手を加え育てていく」。私たちはそうした価値を大切にしたいと考えています。

 

posted by Fuji at 9:14 PM

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