みやぎ木造住宅コンクール5年連続受賞

2024/12/01
基礎工事、進捗状況。
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家づくりの現場から

随時更新!刻々と変化する現場の状況を、
思いの丈込めてお伝えします。

【コラム】上棟式をしましょう

2020年12月22日

全工程の3割程度の時点で行われる上棟式は、本格的な工事に先がけるものと思いがちですが、棟梁からすれば最大の山場なのだとか。とくに手刻み加工に多くの手間と技術を要する木組みの家では期待と緊張が高まります。

上棟の日、丁寧に仕上げた材料が組み合わされ、家のカタチが整っていきます。無形から有形へ、想い描いた家が出来上がっていくのは大きな喜びです。同時につくり手にとっては、図面の読み間違いはないか、加工の具合はどうかなど、それまでの仕事の出来が問われるときでもあります。難しく手間がかかる仕事ほど緊張し、その分期待も喜びも大きくなる。上棟式は大工にとっていちばんの晴れ舞台です。
近頃、上棟式は簡略化されています。餅まきや投げ銭はごく少数で、式すら行わないことも珍しくありません。それは効率化と無縁ではなく、困難や緊張もなく出来るから、祝う気持ちや願いも薄れているのかもしれません。しかしどんなに効率化が進んでも、家づくりは一生に一度の大仕事であることに変わりはなく、託す願いに今昔の違いはないでしょう。家づくりへの気持ちを改めて見つめなおす意味でも上棟式は大切な気がします。

posted by Fuji at 1:25 PM

【コラム】霧よけの役割

2020年09月18日

庇は建物を雨や陽射しから守ります。

屋根や軒より控えめで、大きさや形によって呼び名も様々ですが、窓の上に設ける小さな庇は「霧除け庇」と呼ばれます。ハウスメーカーの家ではほとんど見かけないし、あまり目立たないので必要なのかと思いがちですが、調べてみると予想以上に重要な役目を持っていることがわかります。

私たちが最も多く用いる霧除け庇の大きさは、壁面から先端までの出寸法で約200mm。これにより太陽高度が最も高くなる夏至の時で、庇から約1100mm下まで陽射しを防ぐ効果があります。つまり一般的な大きさの腰窓をカバーするくらいの日除け効果があります。これは雨の場合でも同じで、叩きつけるような風雨ではそうはいきませんが小雨なら確実に雨よけ効果があります。

さて、この「霧除け庇」は、別に「眉庇(まびさし)」とも呼びます。由来は武将の兜で、額のあたりに位置するつばをそう呼ぶそうです。ちょうど眉のように見えるからでしょうか。家にとっても「霧除け庇」は、家の顔立ちを整える重要なアクセントにもなります。

posted by Fuji at 1:30 PM

【コラム】外壁の仕上げ

2020年06月22日

「大壁」と「真壁」の違いをご存知ですか?

「大壁」は構造材(柱)を壁材で覆い隠し表面に出ないようにします。一方「真壁」は構造材を見えるように仕上げます。日本家屋ではほとんどが真壁でした。しかし住宅の工業製品化、とくに室内の壁仕上げでクロス貼りが多く採用されるようになり大壁が多くなりました。真壁にするには手間と技を必要とするのです。もちろん純和風の家が少なくなったことも大きな理由です。

事務所兼自邸の「創の家」では、外壁も真壁にしています。仕上げは石灰モルタル掻き落としで、モルタルに骨材となる細かな石を混ぜ、平面に塗った後、表面を掻き落として仕上げます。「岩肌仕上げ」とも言うように、表面の仕上がりは岩肌のようにザラザラします。骨材になる石にはさまざまありますが、粒状の石の形状や色味に違いがあり、それがそのまま壁の仕上がりに影響します。「創の家」では白竜石を混ぜていますが、透明で丸みを帯びているため、日差しの光を柔らかく反射する特徴があります。

現在、ハウスメーカーなどでは窯業系の壁材が多く用いられています。施工が簡単で汚れにくいことや、タイル風や木材風など様々なテクスチャーに似たものが用意されているなどのメリットがありますが、無垢材など自然素材の家には似合わない気がします。

posted by Fuji at 7:31 AM

【コラム】和室の工夫

2020年05月10日

近ごろ、和室はないがしろにされています。でもせっかく作るなら、「あれば使うかも」とか「雰囲気がいいから」といった消極的な理由ではなく、しっかり落ち着ける空間にしてはどうでしょう。まず配置はなるべく家の奥にした方がいいです。「奥に通す」と言いますが、その方が落ち着きは増します。また入り口も襖が全開になるようなオープンタイプではなく、半間幅くらいがいいでしょう。茶室のにじり口の考え方です。あとはカーテンはやめて障子にすること。目的に合わせ月見障子か雪見障子を選ぶのも大切です。

さらに格調高くと考えるなら床の間を誂えてはどうでしょう。飾り方の基本は壁中央に掛け軸を飾り、床は左に花立、真ん中に香炉、右に燭台を置きます。このルールは和室の原型である書院造が鎌倉時代の僧侶の書斎兼居間だったことに由来するんだそうです。
また和室には方向があることも覚えておきましょう。床の間に対し畳の短辺が当たるように敷くのはNG。「床挿し」といって切腹を連想させるので忌み嫌われます。やはり和室をつくるなら様式をしっかり知っておきたいですね。

 

posted by Fuji at 10:18 AM

【コラム】差尺をめぐって

2020年03月13日

家具選びで特に気合が入るのがダイニングのテーブルと椅子ではないでしょうか。
ほぼ毎日使用し、家族みんなが同時に使い、体を預けるものだからぜひ慎重に選びたいものです。

セットを選ぶ場合、座って違和感がなければ問題ありませんが、テーブルと椅子を別々に揃える場合は高さが合っているかをチェックしなければなりません。
このテーブルの高さと椅子の座の高さの差を「差尺」と言いますが、その差はテーブルであろうと座卓であろうとほぼ一定で、270mm前後が快適に食事できる差尺と言われます。300mm以上になると背伸びして食事しなければならず、250mm以下になると窮屈になる。もちろん体格によっても異なりますが、快適な食卓の差尺は270mmくらいと覚えておけば間違いないでしょう。
写真のテーブルは創オリジナルのダイニングテーブルです。脚は鉄で造り、天板はタモの集成材にしましたが、天板は他の材料を使うこともできます。また、石巻出身の家具作家がつくる『木のしごと樹々』のテーブル、椅子のオーダーもお受けしています。テーブルと椅子の高さも指定できるので使いやすさは折り紙付きです。

posted by Fuji at 2:16 PM

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