みやぎ木造住宅コンクール5年連続受賞

2025/04/16
古建具を選ぶ。
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家づくりの現場から

随時更新!刻々と変化する現場の状況を、
思いの丈込めてお伝えします。

コンクリート打ちっぱなし。

2025年02月9日

民家再生。秋保の家より。

昨年末、コンクリート打設を完了した基礎の立上り型枠を一部解体。
コンクリート打ちっぱなし仕上げのため表面にはモルタルなど塗ることのない、型枠を解体したそのままの仕上げになります。

そのため型枠を開けるまで中身の状態はわからないのでいつもドキドキしながらの解体。
写真は模型写真の赤→付近です。

コンクリートが流し込まれた型枠の中に気泡が入り込み、コンクリートが固まったときにその気泡が原因でブツブツと穴が開いているように見えることがあります。

その気泡穴を少しでも無くすため 「たたき」 を十分に行ないます。木槌で型枠をトントン、トントンと叩く作業です。

気泡の抜き方はシンプルでコンクリートの打設を追っかけながら木槌で下から上に順々に叩いて気泡を抜いていき、その作業を繰り返していきます。
叩いていると感覚が伝わり、プカッ、プカッ とコンクリート内にあった気泡がコンクリート表面に浮んででてきます。

まだ解体は一部ではございますが今回のコンクリート表面の仕上がりはいかがなものでしょうか。

 

posted by しん at 9:05 PM

土壁を生かして。

2025年02月2日

民家再生。秋保の家より。

秋保の家の壁は約300年前ともなると当然のことですが全て 土壁です。
土壁仕上げの工程には大きく分けて 竹小舞の下地に荒壁・(ムラ直し)・中塗り・上塗りがあります。

今回はできるかぎり既存の土壁を生かしたいので剥がれ落ちる部分のみ撤去して部分補修を塗りこみ、その後は手をつけずに時間をできるかぎりおいてヒビ割れが出るところまで待ち次の工程にうつっていこうと思います。最終仕上げは 聚楽壁 にする予定です。

 

posted by しん at 6:53 PM

板戸の修理。

2025年01月26日

民家再生。秋保の家より。

秋保の家では現場作業をすすめる一方で 解体工事の着手前にあらかじめ使えそうな板戸を建具屋さんの工場にて保管しておりました。

建築当時から使われていただろう板戸。
「使える当時のものはできるかぎり使いたい」
お施主様の想いを大切に 腐れ部分を取り除き、つぎ木で補修をして再利用します。

新規で製作する襖は引手をあれこれ模索中です。これも楽しみのひとつですね。
写真は 当時、お施主様と京都へ買い付けに行って購入した ”立鶴” です。
木組みの空に雲を見つける家 より。

 

 

 

 

posted by しん at 10:46 PM

秋保石の話。

2025年01月22日

民家再生。秋保の家より。

以前にも何度かブログでご紹介している 秋保石。

先日、12年ほど前に新築しましたお客様へ調整にお伺いしました。
こちらの薪ストーブの炉壁・炉床には厚みのある 秋保石 を使っています。

私と秋保石の出会いは今から23年ほど前に以前勤めていました会社の現場監督時代、仙台市:秋保の里センターを新築した際につかったのが始まりです。当時は石工事の担当で石の特徴や加工~施工に至るまで勉強させていただきました。

秋保石は仙台市秋保町で採掘される凝灰岩です。特徴は様々な大きさの小石や土が含まれていて土の部分を取ってしまうとくぼみになります。
色はグレーから段々にベージュになっていきます。ミソと呼ばれる黒や茶色の斑紋も特徴のひとつです。

秋保石は調湿性や脱臭性、耐久性、耐火性に優れていることから蔵や塀などに使用させてきました。
創でも写真のように薪ストーブの炉壁・炉床、外構工事では敷石、庭園などに使用しています。

下の写真でもわかるように秋保石は小石や土が入り混じってとても良いやわらかな表情をしています。

今回の民家再生工事でも床下に眠っていた秋保石が出てきましたので大切に、のちにきれいに洗浄クリーニングして再利用の予定です。

 

 

posted by しん at 9:21 PM

礎石の話。

2025年01月19日

民家再生。秋保の家より。

下の写真は、柱もとで一尺二寸(約363mm)以上もある構造体の大切な位置を任されている 栗の太柱。
この構造体を支えている柱の下に敷かれている石を 礎石 と言います。
礎石は柱と固定されていません。

木組みの構造を石場建ての礎石の上に乗せることで地震発生時に礎石の上をすべりながら倒壊を防ぎ何百年もの間、建物を守ってきたと言えます。

今でいうところの免震性を考えた構法とも言えるでしょうか。

簡略化させ短縮化させてきている現代。
手間暇を惜しまず、これだけの礎石や重い栗の構造材をまずは準備するために山裾のここまで運んでくるのにどれだけの労力と時間を要したのか考えると驚くばかりです。

これからの家づくりにとても大切なものを想う日々が続いています…………

 

 

 

posted by しん at 8:10 PM

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