みやぎ木造住宅コンクール5年連続受賞

2024/11/24
礎石の上。光付け。
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家づくりの現場から

随時更新!刻々と変化する現場の状況を、
思いの丈込めてお伝えします。

木組みの構造解説

2021年07月29日

コンセプトでも紹介していますが、「木の家」と弊社が得意とする「木組みの家」の違いは、木を生かす技の違いです。大工の手作業を必要とする「木組み」とはどんな構造を持つのか。弊社施工事例から代表的なものを紹介します。

写真A

 

写真Aに書き込んだように、この家の中心になる丸柱にはいくつかの部材が架かります。写真左上の梁は丸柱を跨ぎ写真右上まで伸びますが、金輪継手によって継がれ強度を高めます。

差し鴨居は、襖や障子が建てられる開口上部の部材である「鴨居」でも特に太さがあるもので、構造材としても機能します。

写真B

 

写真Bは写真Aの差し鴨居の加工時です。オレンジ部分が丸柱に組み込まれます。また襖が立て付けられる溝が彫られているのもわかります。

写真C

 

 

写真Bの鴨居は写真Cのオレンジと赤色部分に収まります。左側赤部分の3つのオレンジ線部分は、鴨居の溝と連結します。さらに、柱の天井側から床側に刻まれた溝(オレンジ部分)は襖の戸当たりで、丸柱ながら襖がぴったり収まるよう工夫されています。

 

写真右側の緑部分には写真Aの梁が収まり、その上部に、太鼓梁が直交し組まれます。

 

柱や梁を組み合わせる部分の加工は継手・仕口と言い、現在の家づくりでは製材過程であらかじめ機械加工されます。しかしこの例のような丸柱は機械製材できず、また複数の梁が組まれる複雑な構造ではこのように手作業によるしかありません。

posted by Fuji at 9:47 AM

木材一本一本に、墨付け・手刻みしています

2021年07月22日

墨付けが大工の仕事だと知る人も少なくなりました。調べると大工の聖域とも呼ばれる大事な作業ですが、いまや木材はあらかじめ加工されて現場に届くので、加工の目印となる墨付けも、それに使う墨壺や墨差しもあまり見かけません。しかし当社の木材加工は手刻みによるところが多く、墨付けは欠かせない作業になっています。

なぜ手刻み加工が必要か、それは当社では伝統的な継手・仕口を用いることが多く、機械では製材加工できないからです。

大工は家のどこにどの木を使うかを念頭に加工します。木材一本一本のクセを見抜き、収縮や変形を見越して適切な加工を施しますが塩梅はあくまで大工の勘です。ただ、のちの建て方も加工を施した大工自らが行うので、注意すべき点が把握できるというメリットがあります。唯一の難点は手作業ゆえに時間がかかること。曲尺、鑿、玄能、鉋を手にコツコツやるので無理もありません。

「創さんは建てるまでが長い」と言われる理由もここにあります。

そこまでやらなくても、という言葉をよそに、いい住まいのために手数を惜しみません。

さて、写真で棟梁が墨付けしている丸太材がどう手刻みされ、どう組まれるか。構造解説は次回ご紹介します。

 

posted by Fuji at 9:21 AM

引き戸を開ける犬のために

2021年07月20日

建具のデザインは住まいの印象を左右する大切なもの。同時に機能的でなければならないので、住まいに合わせさまざまな工夫をしています。

たとえば障子。和のものと考えがちですが、適度な保温・調湿性と遮光性を持つこの建具を畳の部屋だけに使うのはもったいない。デザインと工夫次第で用途も広がります。

 

一見ふつうの障子に見えるこちらは、建築家・吉村順三のデザインにより「吉村障子」とも呼ばれます。框(障子の外枠)と組子(格子になる縦横の材)の寸法を18ミリに統一し、複数の障子を立てたときに1枚に見えるようにしています。一見ゴツい印象がありますが、大きな開口部に複数枚が立つとすっきりした印象に。

 

こんな具合に、横の組子を省き、シャープな印象にもできます。

さらに色ガラスを組み込み、ちょっとクラシカルな雰囲気を出したり。

 

一方で機能性も求められるので、ときにはこんな工夫も。

これは框に二つの木材を組んだものを使ったもので、愛犬家のオーダーで作りました。飼い犬が障子や襖を開けるので、材質が柔らかい杉材では傷つきやすいことから、框の芯材にひのきを使い、さらに数多い木材でも最も硬質と言われるウリン材を表面に組みました。これなら爪でガリガリやってもちょっと安心。見た目も映えます。

 

障子や襖などが長く愛されてきたのは機能的な理由があります。ただ、いまどきの暮らしには不向きな点もあり、そうした欠点をアイディアと技でカバーしその可能性を広げたいと思っています。

 

posted by Fuji at 9:28 AM

基礎コンクリートの前に、掃除機をかける

2021年07月19日

勉強やスポーツでは基本が大切。家づくりでも同じで、基礎がしっかりしてないといい家にはなりません。当社の基礎構造は、砕石・敷き込み、転圧、防湿シート、鉄筋、コンクリート土間・立ち上がりから成りますが、いい基礎にするために検査をはじめあらゆる努めを怠りません。

まず徹底するのが基礎コンクリートを流す前の型枠内の掃除です。石ころ、紙屑、木屑、枯葉などを拾い掃除機もかけます。

以前、現場を訪れた施主さまが「そこまでやるの!?」と驚いていましたが、基礎コンクリートに不純物があるとコンクリートの強度不足、場合によってはそこから腐食が進みかねないので予防策です。同時に型枠の隅々までゴミを拾うので、配筋が適切かどうかをチェックすることもできます。まさに一石二鳥の作業。快適な住まいは、こうした小さな作業をていねいにやることで実現できると考えています。

posted by Fuji at 9:12 AM

家族みんなのために、とことん話し合う

2021年07月18日

設計前のヒアリング、打ち合わせは納得いくまで重ねます。

「創さんは、建てるまでと打ち合わせが長い!」とよく言われますが、ほんとうに快適な住まいのためです。どうぞお付き合いください。

 

さて、ヒアリング・打ち合わせのポイントはふたつあります。ひとつは、なぜそうした希望を持っているのかを検証すること。そして、ご家族全員の気持ちを受け止めることです。

家づくりは固定観念に縛られがちです。家の真ん中はリビング!となりがちですが、家族構成や生活パターンなどによっては別な部屋にした方がいい場合もあります。たとえば日中は留守が多く、家族一緒に過ごすのが夕食という場合、思い切ってダイニングキッチンを中心に置くという選択もあります。また「◯ 畳以上はほしい」など、スペック重視もおすすめしません。住宅設計の基本は限られた敷地面積をいかに有効に使うかです。明確な希望があったとしても、そのままつくるのではなく、とことん検証を重ねて、ほんとうに使いやすく快適な住まいを目指します。

 

もう1点、家族全員の気持ちを受け止めるために、考える機会と個別のヒアリングシートを用意しています。家づくりでは主導する人がいます。奥さまかご主人か。話し合って決めるのはもちろんですが、それでも主導する人の意向が強くなりがちです。希望はあるけどうまく伝えられない人もいるでしょう。家は家族みんなのもの。誰ひとり取り残されないことが大切です。

これにはもうひとつ狙いがあります。それは各々の願いを家族みんながちゃんと知ること。普段は話さないような願いや気持ちをこのヒアリングをきっかけに話し合うことで、いい家の第一歩になると思います。

とことん考え、何度も話し合う。だから建てるまでと打ち合わせは長くなります。

 

当社の家づくりの流れをご確認ください。

設計・プラン提案にあたり、5つのテーマからなるヒアリングシートをお渡しします。

1.お客様の基本情報とご希望の住まいの概要

2.ご家族のプロフィールとアイディア(ご家族全員分)

3.建設地の立地環境について

4.理想の住まいについて

5.新居で使う家具について

 

ご家族全員の希望を聞くこと、お住まいの立地環境をどう捉えているかを知るのは基本設計のために特に重要です。また新居で欲しい家具について聞くのも、収納プランを考える上で重要です。

 

posted by Fuji at 9:06 AM

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