木組みの構造解説
2021年07月29日
コンセプトでも紹介していますが、「木の家」と弊社が得意とする「木組みの家」の違いは、木を生かす技の違いです。大工の手作業を必要とする「木組み」とはどんな構造を持つのか。弊社施工事例から代表的なものを紹介します。
写真Aに書き込んだように、この家の中心になる丸柱にはいくつかの部材が架かります。写真左上の梁は丸柱を跨ぎ写真右上まで伸びますが、金輪継手によって継がれ強度を高めます。
差し鴨居は、襖や障子が建てられる開口上部の部材である「鴨居」でも特に太さがあるもので、構造材としても機能します。
写真Bは写真Aの差し鴨居の加工時です。オレンジ部分が丸柱に組み込まれます。また襖が立て付けられる溝が彫られているのもわかります。
写真Bの鴨居は写真Cのオレンジと赤色部分に収まります。左側赤部分の3つのオレンジ線部分は、鴨居の溝と連結します。さらに、柱の天井側から床側に刻まれた溝(オレンジ部分)は襖の戸当たりで、丸柱ながら襖がぴったり収まるよう工夫されています。
写真右側の緑部分には写真Aの梁が収まり、その上部に、太鼓梁が直交し組まれます。
柱や梁を組み合わせる部分の加工は継手・仕口と言い、現在の家づくりでは製材過程であらかじめ機械加工されます。しかしこの例のような丸柱は機械製材できず、また複数の梁が組まれる複雑な構造ではこのように手作業によるしかありません。
posted by Fuji at 9:47 AM