【コラム】石いろいろ1
2021年03月26日
黒く、見るからに硬質で重厚感がある稲井石は記念碑や墓石に重宝され、「至宝の石」と呼ばれるほど。まさに永遠を刻むためになくてはならないもので、東京・清澄庭園では池の渡し石、塩竈神社、瑞巌寺では石碑等に用いられるほか、サイパン島の旧日本軍の慰霊碑にも使われています。また歌人・斎藤茂吉は、父の墓石を誂えるために稲井を訪れたと言われています。
この「仙台石」とも呼ばれる石巻の宝をなんとか家づくりに生かせないかと考え、これまでいくつかのプロダクトを製作しました。もっとも多いのが玄関柱の束石で、重厚感ある表情が家に落ち着いた印象を与えます。黒光りせず、濡れた時と乾燥時では見た目にも明らかな差が出るなど、いくつかの特徴の中で、最も気に入っているのが木目のような模様を持っていることです。木の家にあっても浮いた印象に見えないのはこのせいでしょうか。これからもその可能性を家づくりに生かしたいと思います。
posted by Fuji at 1:44 PM