【コラム】和室の工夫
2020年05月10日
近ごろ、和室はないがしろにされています。でもせっかく作るなら、「あれば使うかも」とか「雰囲気がいいから」といった消極的な理由ではなく、しっかり落ち着ける空間にしてはどうでしょう。まず配置はなるべく家の奥にした方がいいです。「奥に通す」と言いますが、その方が落ち着きは増します。また入り口も襖が全開になるようなオープンタイプではなく、半間幅くらいがいいでしょう。茶室のにじり口の考え方です。あとはカーテンはやめて障子にすること。目的に合わせ月見障子か雪見障子を選ぶのも大切です。
さらに格調高くと考えるなら床の間を誂えてはどうでしょう。飾り方の基本は壁中央に掛け軸を飾り、床は左に花立、真ん中に香炉、右に燭台を置きます。このルールは和室の原型である書院造が鎌倉時代の僧侶の書斎兼居間だったことに由来するんだそうです。
また和室には方向があることも覚えておきましょう。床の間に対し畳の短辺が当たるように敷くのはNG。「床挿し」といって切腹を連想させるので忌み嫌われます。やはり和室をつくるなら様式をしっかり知っておきたいですね。
posted by Fuji at 10:18 AM