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こだわり特集 そこまでやるか!?

「設備と仕様」

全引込式木製サッシ製作記録 【建物枠製作編2】

2022年02月19日

木製サッシでは敷居も鴨居もオリジナルです。木材はヒノキの無垢材(土間設置の場合はステンレス製)。風雨にさらされること、木目の美しさを考えればほぼこれ一択です。ただし、サッシ枠は加工のしやすさと少しでも軽量な方がいいので、ヒノキ同様水に強いサワラ材を使います。

さて、躯体強度確保の次に大工に課せられた課題は敷居と鴨居、そして窓縦枠の加工です。ガラス戸と木製網戸を各2枚立てる場合の敷居、鴨居の幅は約250mm。そこに4枚の戸が立つ溝を加工しますが、問題はガラス戸と網戸では建て付けが違うので加工寸法が入り組むことです。確認を重ねながら加工しないと加工幅を間違えてしまい、結果、ヒノキの無垢材が無駄になることもあります。

通常、戸の建て付けでは戸の上端断面をL字に加工し溝にはめるようにしますが、強度、見た目、そして気密性のため、ガラス戸には大和溝を加工します。戸の上端断面はU字になり、鴨居の溝を挟むようになります。ここで注意が必要なのは、サッシ枠をつくる建具屋さんとの連携をしっかりしなければならないこと。戸の溝幅と鴨居の切り欠き幅に加え、引き違い分の遊びも考えなければなりません。作業は別々に行うとはいえ、こころをひとつにしなければ完成できない、そこにも木製サッシ製作の難しさがあります。

加工された鴨居。ガラス戸、網戸が建つことを念頭に慎重な作業が必要

 

溝加工の違いに注目。右2枚のガラス戸は気密性、強度の高い大和溝を加工。左2枚の網戸には操作性のいい加工をしている。

posted by Fuji at 5:58 PM