全引込式木製サッシ製作記録 【建物枠製作編1】
2022年02月10日
アルミや樹脂サッシでは枠や建物側の敷居、鴨居が軽量化できるので建物と施工の負荷は軽減できますが、木製はそうはいきません。幅1300mm・高さ2200mmで一枚約60kgにもなるので建物にかかる負荷も相当なもの。大工に課せられた最初の課題は、まず重量に耐える躯体強度を確保することです。
通常、掃き出し窓の敷居は建物土台の上にのせ、アルミ、樹脂製では外壁からの出幅はわずかですが、木製では戸一枚あたりの厚さが増すので、ガラス戸2枚に木製枠網戸などを立てると外壁からの出幅は300mm近くになります。つまり土台だけでは敷居を載せられないので、出幅分の補強土台が必要になります。当社では土台材にさらに同寸角の補強土台二本を連結することで強度を確保しています。
建物枠の敷居工事の様子。アルミサッシより出幅が倍以上になることがわかる
さて、木製サッシでは、敷居と同様に窓上部の鴨居の出幅も大きくなります。通常の施工では出幅分の重量を支えられず、独自の工法として考えたのが、壁と鴨居をLアングルの補強金具でつなぐことです。独自工法なので金具もオリジナルです。完成後は出幅分を覆う屋根庇の内側に隠れてしまいますが、圧倒的な開放感と美しさの裏にこうした工夫があることも知っていただければと思います。
鴨居も敷居同様に出幅が大きくなる。窓サッシ、網戸の分の溝加工がある
出幅分の屋根庇を設ける。壁と鴨居はオリジナルの金具で補強される
posted by Fuji at 9:54 AM