川風にさきわう家

川風にさきわう家

私たちが
つくる家

むかし、仙台藩の米は江戸市中の消費量の多くを賄ったといい、ほとんどが石巻から送り出されました。この住まいはその集積地だった川岸に建ちます。かつての名残は最近まで護岸の石積みに見られましたが、震災後の大規模な防潮堤築造で面影を失くしました。しかし、川面を吹く風に今昔の違いはなく、豊かさをもたらすようにと願いこの名にしました。

南東に開いた2階のリビングダイニングは川風と陽射しに恵まれる場所で、心地よさをわがものにできる空間です。直結するキッチンでは土地の物語に沿うよう、モルタル仕上げのカウンターシンクをつくりました。収納も使い手の要望に沿った完全オリジナル。手づくりの確かさと温かみは、土地の来歴の豊かさにマッチします。また爽やかな風と薪ストーブの熱を家中に行き渡らせる工夫も充実させました。

若いご夫婦からお子様、そして次の世代へ。豊かな暮らしが川風とともに受け継がれることを願っています。

(石巻市・住吉/竣工:令和2年8月)