白い空間に根曲り木のある家

白い空間に根曲り木のある家

私たちが
つくる家

平成23年3月10日。この家は震災の前日に上棟式を終えていました。土台に柱が組み合わされ、梁と屋根もかかり、ひと安心したところに大津波が襲いました。現場は北上川に近い場所だったので、津波は大人の身長を優に超えました。棟梁は津波から逃れ屋根に上りましたが、津波は一向に収まらず逃げることもできなかったので、隣家の2階で一晩世話になったと言います。
幸い人的な被害もなく建物の構造に大きな損傷もなかったのですが、土台と柱は塩水に浸かったため、構造材として問題がないかを確認するのに大変な労力を要しました。さらに震災後しばらくは資材が入手できなかったことから竣工が大きく遅れました。この先どうすればいいのか、来る日も来る日も棟梁らとともに頭を悩ませたことを思い出します。苦労の末に完成しただけに竣工の日は、施主様ご家族と手を取り合い涙しました。一言では言いつくせぬ思い出がある家です。
(石巻市・住吉/竣工:平成23年12月)